東日本大震災直後から現在にかけて、被災地の一部市町村においては深刻な介護人材不足等のため、入所施設の利用が困難な状態が続いています。
弘前豊徳会は、自らの福祉車両で被災地まで赴き、無償で移送し、介護老人保健施設「サンタハウス弘前」をはじめとする施設で受け入れる活動を継続しております。被災地支援活動については旧ブログまたは、新ブログの被災地支援活動カテゴリをご覧ください。
弘前豊徳会の被災地支援活動の最初の受け入れは平成23年4月11日でした。
サンタハウスクリニックの齋藤重周医師をはじめ11名の職員が福祉車両3台、ワゴン車1台に分乗して宮城県気仙沼市に赴き、5名の要介護者を受け入れました。今でこそマスク姿は見慣れたものですが、当時は町全体に腐臭が漂い、市民は皆マスクを着用していました。
受入範囲は徐々に拡大され、岩手県、福島県からの受け入れも実施しました。
在宅から2人暮らしのご夫婦の受け入れも複数ありました。
平成23年4月29日から5月5日(弘前さくらまつり期間中)にかけて、弘前豊徳会は被災地支援を目的としたチャリティ実施しました。
このチャリティは岩手県立大学の都築光一准教授(現・東北福祉大学教授)の提案によるもので、「かもめの玉子」をはじめとする岩手県沿岸部の銘菓やチャリティTシャツ等の販売、募金活動を、被災地出身の岩手県立大学学生ボランティア3名と合同で行いました。
平成23年4月12日から9日間、岩手県大槌町の避難所現状調査要因として、職員2名を派遣しました。
避難所で暮らす高齢者の調査や、同町のグループホーム「城山の杜」を利用して入浴介助を行いました。
平成24年3月10日、被災地からの移送に用いるための福祉車両が納入されました。
この車両は現在も、被災地からの受け入れ、また退所時の移送に使用されています。
平成24年5月12日、日本地域福祉会東北部会主催「弘前地域福祉セミナー」が弘前文化センターで開かれ、弘前豊徳会職員もパネリストとして参加しました。
平成24年9月から1年間、公益財団法人JKAより助成を受け「被災地域の調査活動」をおこないました。
この事業では、東京都、埼玉県、茨城県、福島県(会津地方、いわき市等)、秋田県、山形県の、被災地からの避難者が多く避難している市町村を中心に訪問し、自治体、社会福祉協議会等の職員から各地における避難者に対する支援の取組みや、抱えている課題等について聞き取り調査を行いました。
事業期間を通じて調査件数は825ヶ所に上りました。
平成26年8月12日から平成27年6月30日まで、岩手県大槌町の社会福祉法人堤福祉会に対し、応援職員を派遣しました。
上記期間中3名の応援職員を交代で派遣し、大槌町の仮設住宅で生活してもらい、特別養護老人ホーム「らふたぁヒルズ」「三陸園」等で介護業務に従事しました。
東日本大震災を風化させないこと、また、被災経験に基づく災害対応の教訓を得ることを目的とし、東日本大震災被災地支援活動を通じて知り合った被災地の福祉・医療関係者を講師に招き、平成26年11月15日・22日、平成27年9月26日に、災害対策セミナーを実施し、災害対策に関心を抱く地域住民のべ300名の参加がありました。
平成30年度より被災地から受け入れた入居者様を帰郷させようという動きが高まり、宮城県・福島県の助成金を得て、帰郷先を探すため地元施設の入所可否状況調査を行いました。宮城県・福島県の特養・老健・グループホーム、有料老人ホーム等、約600施設にアンケートを送付し、約140件より回答を得ました。受入可能と返答いただいた施設と連携を図ったところ、福島県で1件の帰郷につなげることができました。(ブログ「Sさん相馬市へ帰郷」)
帰郷先として手を挙げた施設であっても待機者を何百人も抱えていること、現況だけで大変であるため受入は行わないといった回答もあったこと等、地元施設への帰郷が容易ではない現実が浮き彫りとなりました。
それでも現在サンタハウス弘前で暮らしている方のうち一人でも多く帰郷を実現すべく、平成31年度は宮城県、令和2年度は宮城県・福島県の事業に採択され、引き続き帰郷支援事業が行われました。
令和3年度は日本財団、福島県に採択され、活動中です。