リモートでミニ交流会
サンタハウス弘前では東日本大震災以来、地元施設に入所が難しい高齢者が入所しています。
一部の市町村では、介護職員不足や医療体制が整わないなどの理由で、入所が困難な地域があります。そこで、サンタハウス弘前では地元施設が空くまでの間、岩手・宮城・福島からの入所に対応してきました。この9年半以上の活動でのべ193名が入所、50名以上の方がサンタハウス弘前で暮らしており、現在も「サンタハウス弘前に入所できないか」と問い合わせがあります。
12月2日(水)、福島県からサンタハウス弘前に入所した入居者様を対象に、福島県の今を知る情報交換を兼ねたミニ交流会が行われました。
参加者は、福島からの入居者様6名と、テレビ越しに福島県在住の講師3名です。
本来なら講師の方々には弘前まで来て直接お顔を見て話していただく予定でしたが、コロナ禍で面会も難しいため、画面越しに、福島県相馬市・南相馬市の現状を伝えていただきました。
「この場所は今子供たちの遊び場になっています」「橋が新しくかかりました」「野馬追は中止になっちゃいました」など、地名やイベントが次々出てきます。
質問コーナーで、実家付近の様子を聞いた入居者様がいました。講師の方も知っているところでしたので、「おうちの隣は畑になっているみたいですよ」「軽トラはなかったけど、お庭がきれいになってました」と答えると涙を流していました。
この日の午前中に今日の小高駅(福島県南相馬市)の写真が送られてきていたので、さっそくプリントアウトしてそれも一緒に見ました。「このラクガキみたいなの昔からある」「家の近くの駅だよ」と、入居者様同士もぽつりぽつり話し始めました。
小高駅は震災後は営業停止していて、ここ数年の間に復旧、再開したそうで「利用客は少なくなったけど、きれいになったし、もし皆さんが帰ってきた時は不自由ないですよ」と教えていただきました。
福島県の言葉が久しぶりに聞こえただけでも、入居者様はいろんなことを懐かしく思い出したようです。
※この交流会は「令和2年度福島県県外避難者帰還・生活再建支援補助金」採択事業の一環で実施されました。
※写真は許可を得て撮影・掲載しています。