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ユマニチュード研修

2021.5.12 - []

5月10日(月)・11日(火)全事業所の職員を対象にユマニチュードについて研修を行いました。講師は職員総合教育研修室 室員の工藤さんです。

ユマニチュードは、見る・話す・触る・立つの4つが柱となっています。「どれも普段からしている当たり前のケアでは?」と思う方もいるかと思いますが、重要なのは「愛情を伝える」「人間らしさを取り戻す」ケアをすることです。
見る
水平に顔を合わせ、正面から顔を近づけ、見つめる時間を長くとります。水平に顔を合わせることでお互い平等であること、距離が近いことで親密さを、長い時間見つめることで友情や愛情が相手に伝わります。

話す
大きすぎない声でゆっくりと優しく話しかけることで穏やかな状況をつくります。相手から返事がなくても、言葉を絶やさずに、今していることを実況します。ポジティブな言葉を用い、相手を心地よい状態にします。

触る
触る前は、必ず声をかけましょう。広い面積(手のひらなど)でやわらかくゆっくりと触れます。「つかむ」行為は相手に自由を奪うイメージを与えるので気をつけましょう。

立つ
人間は本来直立する動物であり、立つことで能は刺激を受けます。入居者様に立つよう働きかけていきましょう。

研修の中では、②「話す」に関連して「愛情を伝える言葉」「ポジティブな言葉」を考え、発表し合いました。参加者からは「今日も素敵な笑顔ですね」「(何かを手伝った後に)ありがとうございます。助かりました。またお願いしたいです」「今日は顔色いいですね」など言われた相手が心地よくなる言葉があげられました。

このように、相手が心地よい環境をつくり、自分もポジティブでいることが大切です。
例えば、認知症で手足を動かして暴れる入居者様がいたとします。「どう抑制するか」と考えるのではなく「この力があれば○○さんは立ち上がることができるかも」と考え方を変えてみましょう。
抑制することで、入居者様は人間としての尊厳を奪われてしまいますが、考え方を変えてユマニチュードを実践すれば、ケアする側の気持ちは前向きに、入居者様も穏やかに心地よく過ごすことができるかもしれません。

研修の最後には、認知症の検査方法の一つMMSE(Mini Mental State Examination)を体験しました。「今日は何日ですか」「ここは何市ですか」といった見当識のほか、計算力や図形の描写力などが問われ、30点満点中、21点以下だと認知症の疑いがあり、22~26点だと軽度認知障害の疑いがあるとされます。「今日何曜日だっけ?」と焦ったり「100から順番に7をくり返しひいてください」という問いに「93、86…え~と」と混乱したりしていましたが、認知症の方についての理解を逆に深めることにもつながりました。

ユマニチュードの技法と合わせて、「考え方を変える」ことの大切さを学んだ研修でした。

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