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もしもの時、どうしたい? ゲームで体験「人生会議」

2021.7.21 - []

7月17日(土)、サンタハウス弘前公園(弘前市元大工町)でセミナー「ゲームで体験『人生会議』」が行われました。好評につき、2回目の開催です。(前回の様子はコチラをごらんください。)
講師は、サンタハウス弘前公園の阿保施設長です。

人生会議とは、「もしもの時」に備えて、自分が大切にしていることや望み、どのような医療やケアを望んでいるかについて自分自身で考え、信頼する人たちや医療・ケアチームと話し合いを重ねることです。

とはいえ「縁起でもない」「重くて難しい話題」と取っ付きにくいのではないでしょうか?

そこで参加者のみなさんに体験いただくのが「もしバナゲーム」です。
“もしもの時のための話し合い”を略して「もしバナ」。仮に人生の最終段階に来た時自分にとって大切なことは何かを考え、なぜそう考えたかを伝えるカードゲームです。医師が開発したもので1セットに36枚のカードが入っています。そのうち35枚のカードには重病の時や死の間際に「大事なこと」として人々がよく考える言葉が書いてあります。例えば「家族と一緒に過ごす」「痛みがない」などです。残りの一枚はワイルドカード(独自の希望に使用できるカード)です。

セミナーではワイルドカードを除いた35枚のカードを使い、4人1組でゲームをしました。まずは1人5枚カードを配ります。残りは裏返してテーブルの中央に山にし、その上から5枚を表にして並べ、何が書いてあるか分かるようにします。参加者は、手元のカードとテーブルに並べられたカードを見比べ、自分が大切にしたいことについて、交換したいカードがあれば交換します。(はじめの一巡目は全員必ずテーブルのカードと交換するのがルールです。)参加者全員が、交換したいカードがなくなれば、新しく中央の山から5枚表にします。これを中央の山がなくなるまで繰り返します。

「私は親友がそばにいるよりも、(自分の価値観や優先順位を知る)意思決定支援者がほしいかな」「おらは、まずは、信頼できる主治医がいねばと思ってるんだ」「家族の負担にはなりたくないなー」「気持ちを楽に最期をむかえたいなぁ」とみなさん自分の思いを話しながらカードを交換、もしくはパスしていきます。
「このカード要らないけど、交換したいのもないわー」「あなたのそのカードいいわよね」など話していると、「欲しいカード集めようっていうよりも、こうやってカードの中身について色々話し合うことが大切なんだろうねー」という声も。そうなんです! 話し合いのテーマは重いものですが、みなさん積極的に気軽な感じで、カードの内容について自分の考えを話していました。

中央の山がなくなったら、手元の5枚から特に大事にしたい3枚を選び、なぜ自分がこの3枚を大事と思ったか発表し合います。
「私は痛みがないのが一番! 」「私は大切な人たちにそばにいてほしい。そのためにもユーモアを持ち続けたいと思ってます」「私自身は信頼できる主治医がいれば十分。あとは死んだ後で誰かの役に立てたらと思ってる」「私は親の望みを知らなくていろいろ決断が大変でした。だから、自分のことをよく知ってくれる人がほしいと思っています」など、考えは様々です。
「これまで漠然と考えていたことを具体的に考えられた」「他の人の考え方も参考になった」と参加者はおっしゃっていました。

後半は人生会議の進め方やどのようなことを考えるのかを学びました。
特に、代理決定者(いざという時に、自分の代理人として受ける医療やケアについて話し合ってほしい、信頼できる人)を決める項目では、参考動画も拝見しました。
・長男はいろいろ考えて迷う性格なので、きっぱり判断できる次男に決めた。
・家族がおらず、病気について話したことがある友人に頼んだ。
・長年連れ添った配偶者にした。
など、様々な理由・事情から代理決定者を選んでいるようです。
そして、自分の望みや考えは、代理決定者だけでなくそれ以外の家族や友人、医療従事者などにも伝えておくことで、希望が尊重されやすくなります。

命の危険があるとき、4分の3の人は自分の意思が伝えられない状況であるといわれています。自分の望みに沿った治療やケアをしてもらうためにも、重要な決定をしなければならない家族や友人があなたの思いを尊重し、きちんと医師に伝えられるようにするためにも、自分の考えや思いを伝えること・形に残すことは大切だと感じたセミナーでした。

「もしバナゲーム」はサンタハウス弘前公園で体験可能です。「もしバナゲーム」の紹介・説明・場所の提供を無料で行います。1人用ルール、2人用ルールもあるので、体験したい方にはご説明します。ご希望の方は、予約が必要なので事前にお電話にてご連絡ください。
電話 0172―88-7707(サンタハウス弘前公園)

※プライバシーに配慮し、写真を加工して掲載しています。

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