スタッフブログ

全職員対象研修「ターミナルケア」

2021.9.8 - []

9月8日(水)、ターミナルケアに関する職員研修が行われました。
講師は、サンタハウス弘前の職員研修を実施する「職員総合教育研修室」より、工藤さんが務めました。「ターミナルケアとは?」「介護保険から見るターミナルケア」「他施設の事例」など、紹介しながら、現場の職員ができることを考えていきました。

日本人は病院で最期を迎える方が多いとされていますが、近年は老衰でなくなる方が増加し、施設で最期を迎える方も増えてきています。最期のときにはどんなケアが必要なのでしょうか?

介護保険におけるターミナルケア加算では、医師がターミナルケアが必要と診断、入所者や家族の意思を尊重し、医師・看護師・介護職員・支援相談員などがチームとなってケアする場合に算定されます。

老衰で亡くなる場合、人は食が細くなり、睡眠時間が増え、何も体に入っていなくても排泄をして、自分の体を整理しているかのような状態になります。
体がゆっくり枯れる準備をしている一方、聴力は最後まで衰えないのだそうで、話しかけたり、言ったことを否定せず対応したりするのが良いそうです。

さて、いろいろな出典や本から死・旅立ちの過程と対応を学んだところで、事例をもとに、現場の職員がどんなケアができるか、グループワークで考えてみましょう。
【ターミナルケアの事例】
誤嚥性肺炎を繰り返すAさん。自宅で死を迎えたいという本人の希望あり。子が3人(長男、次男、長女)で介護者は長女。6年前に脳梗塞を発症し、再発を繰り返している。嚥下障害が進行し、この半年で誤嚥性肺炎による入院を3回。趣味は大正琴で、好物はイチゴ。

参加した職員からは
「好きなものを食べさせる。でも生のイチゴは無理だと思うので、イチゴ味の補助食品や、汁とかがいいと思う」
「この間看取った人に声をかけたら反応したのでびっくりした。耳が最後まで聴こえてるという話はわかる。なので、家族にできるだけ傍にいる時間をとってもらうとか、職員もなるべく声をかけるのがいいと思う」
「手足をさすりながら昔の話をしてあげるのがいいと思う」
「家族との外出の機会を作ってあげたらいいと思う」
などなど、具体的なケアの中身があげられました。
ケアプラン作成の際には
・どのようなケアをゴールとするか職員みんなで共有する
・苦痛の緩和に尽くす
・残される家族へのサポート
・残される家族が大切な人の旅立ちを受け入れられるような支援
ということも大事な視点です。職員があげたようなケアのほかにもできることがまだまだありそうです。

スタッフがどう寄り添うかは、家族の話からもヒントを得ることができます。福岡県のパンフレットに「住み慣れた施設で最期まで暮らすということ」というのがありますが、スタッフへの感謝の言葉が連ねられています。
入居者様の希望と残された日々の質を高めるための支援を、職員みんなで行うこと。ターミナルケアへの理解を深めることができました。

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