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研修発表会★ユマニチュードを実践してみて

2021.11.22 - []

11月17日(水)、18日(木)の2日間、グループホーム「サンタの家」3階の職員が、4月から10月までの6か月間ユマニチュードを実践した結果と考察を発表しました。発表者は管理者の齊藤さん(写真左)と介護主任の古川さん(写真右)です。

ユマニチュードとは、コミュニケーションに基づいたケア技法で、見る・話す・触れる・立つの4つの柱からなります。
サンタの家3階では、職員総合教育研修室とタッグを組み、認知症状の改善のため、ユマニチュードのケア技法を用いて入居者様と関わりました。取組開始前の4月と6ヶ月後の10月の2回、全入居者様8名を対象にMMSE(Mini-Mental State Examination/ミニメンタルステート検査)を実施しました。
※MMSEとは認知症の疑いや進行具合を調べるテストです。30点満点中27点以上であれば「認知症の疑いなし」とされます。

MMSEの結果、点数のうえで改善が見られたのは8名中3名でしたが、ユマニチュードを実践して入居者様と職員それぞれに変化があったそうです。

【入居者様の変化】
・入浴介助を拒むことが少なくなった。
・入居者様の方からうれしそうに自分の話をしてくれるようになった。
・入居者様から手を握ってくれるようになった。
・リビングで鼻歌を歌って機嫌良さそうにしている入居者様がいた。
特に、入居者Aさんはレビー小体型認知症による幻覚や妄想といった中核症状がありましたが、ユマニチュードを実践したところ、症状が減少したそうです。特に、以前は職員に対する「○○さんがこんなことを言っていた」という妄想がありましたが、ほとんどなくなったということでした。

【職員の変化】
・他の業務中であっても手を止めて、座って入居者様と目線の高さを合わせてコミュニケーションを取るという習慣ができた。
・これまで自分たちがしていたケアと向き合うことができた。
・声がけだけではなく、スキンシップも積極的にできるようになった。
・入居者様の笑顔が見られることで、職員自身も笑顔になる回数が増えた。

MMSEの点数が下がった入居者様がいたり、重度の認知症や不穏のある方にユマニチュードを実践してもうまくできなかったりと、変化を感じることができず職員自身ストレスを感じることもあったそうですが、古川さんは「変化を感じられなかった入居者様には関わり方を変えるべき。一人ひとりに合った関わり方を模索することが必要で、そうすれば必ず変化があると職員全員が考えている」と述べました。
齊藤管理者は今回の取り組みについて「自分たち職員がどれだけ変われるかが大事だと分かった。ユマニチュードを実践して入居者様・職員の笑顔が増えて良かった。これからも続けていきたい」と意欲を語りました。

研修に参加した他事業所の職員から積極的に質問がありました。
質問「コミュニケーションがうまくとれず、入居者様と目線を合わせるのですが、相手の目力に負けて目をそらしてしまいます。それでも時間をかけて続けた方がよいのでしょうか?」
古川さん「方法を変えてみてはいかがでしょうか? 見るだけではなく、触れることも取り入れるといいかもしれません。」

質問「マスクをしたままだと職員の表情も分かりづらいと思いますが、どのように対応していましたか?」
齊藤さん「マスクをしたまま、目力で伝えました!」

職員総合教育研修室の柳田室長から「ユマニチュードを実践して、入居者様だけでなく職員にも変化があったことは今回の取り組みの大きな収穫。これからもグループホーム3階のみなさんにはユマニチュードを続けていただき、その姿勢が全事業所に波及し、利用者様・入居者様が安心して過ごせる暖かい施設になってほしい」と講評がありました。

研修に参加した職員は、同じサンタハウス弘前で働く仲間がユマニチュードを実践し変化を感じていることに刺激を受けたようで「自分の利用者様への関わり方を見直すきっかけとなった」「自分も実践したい」という感想が多くあげられました。
これを機に、ユマニチュードに取り組む職員・事業所を増やして、入居者様の「人間らしさの尊重」を幅広く、誰もができる施設を目指したいですね。

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