研修★経口移行を成功させるための摂食・嚥下障害の基礎知識
2022.12.13 - [セミナー・研修]
11月29日(火)、株式会社大塚製薬工場から佐藤文範氏を講師にお招きし、「経口移行を成功させるための摂食・嚥下障害の基礎知識」というテーマで、各事業所の全職員を対象とした研修を開催しました。
摂食・嚥下は外側から見えにくい体内の運動なので、対応が難しいとされています。利用者様・入居者様の誤嚥を防ぐために、食事の様子を観察して食形態の調整や姿勢・食器を調整すること、内服の様子を観察することなどが大切です。
研修では、嚥下困難者用食品(ゼリー)を用い、「飲み込む時に上あごに舌が付かないようにして飲み込む」「口を開けたまま飲み込む」といった飲み込みづらい状況を確認しました。職員はなんとか予備能で飲み込むことができたようです。また、目隠しした状態で口の中にゼリーを入れたところ「口に入った瞬間ドキッとした」と話す職員がいました。
高齢者の場合、嚥下機能の予備能が低下することで摂食・嚥下が難しくなるため、様々な方法で誤嚥を防ぐ必要があります。視力が低下している人の場合、口の中に急に食べ物を入れられると怖くて頭を後ろへずらしてしまい、姿勢が崩れることもあります。
誤嚥を防止するためには、姿勢や食物形態の調整のほか、「スプーンの選択」「環境調整」「ひと口量の確認」「食べるペースの確認」といった食器・食事環境を整えることが必要であることを学びました。
研修では、嚥下困難者用食品(ゼリー)を用いた嚥下訓練「スライス法」が紹介されました。ゼリーを約5ミリ厚にスライスし、舌の奥にのせて丸飲みします。スライス型にすることですくった場合と違い表面が平らになるため、口腔・咽頭の通過がスムーズになります。大塚製薬工場のエンゲリードは、温度による物性変化が少ない嚥下困難者用のゼリーです。
利用者様・入居者様が口から食べる食事を続けられるよう、どのようなケアが必要か理解を深めることができた研修でした。
佐藤様、ありがとうございました。