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イベント★田んぼアートのお話

2024.7.24 - []

7月13日(土)、サンタハウス弘前公園(弘前市元大工町)で「田んぼアートのお話」を開催し、入居者様や地域住民など30名が参加しました。

田んぼアートとは、色が違う稲を使って、田んぼに巨大な絵や文字を作ったものです。今では全国各地で作られていますが、そのはじまりは、青森県南津軽郡田舎館村とされています。今回、その田んぼアートを発案した花田耕一さんが、サンタハウス弘前公園で誕生秘話を話してくださいました。
大勢の人を前に話すのは初めてという花田さんは、少し緊張している様子でしたが、自己紹介で得意の『船頭小唄』を披露したところ一緒に口ずさむ参加者もいて、ご自身も参加者もリラックスしてはじめることができました。

花田さんは以前、田舎館村役場に勤めていました。当時、催し物として農作物の品評会を開催していましたが、平成4年4月、「多くの人を呼ぶ、全く新しい催しを考える」というミッションが花田さんに課せられました。このころは各地で村・町おこしが盛んで、様々なイベントが開催されていました。

「今までにないもの・どこもやっていないものとは何か」花田さんは自宅から役場まで歩いて通勤していて、毎日歩きながら考えましたが、なかなか思いつかなかったそうです。そうして5か月ほど経ったころ、田舎館村の小学校で育てていた、紫や黄色の古代米と、つがるおとめが目に飛び込んできました。「こんな色の稲もあるんだな。なんぼ(なんと)きれいだば…これだ!!」と思いついた花田さん。 稲を使って絵を描けないだろうか、アートにできないだろうか」と考えたそうです。
毎日歩いて通勤していたからこそ、稲の収穫時期だったからこそ思いついたアイデアです!

平成5年、第1回目の時は、「田んぼアート」ではなく「稲作体験ツアー」というタイトルで田植えから収穫までを体験できる1年がかりのイベントだったそうです。岩木山の形と「弥生の里 いなかだて」という文字「稲文字」を作りました。田舎館村には垂柳遺跡があり、弥生時代の水田跡や水田に遺された弥生人の足跡が見つかっています。

花田さんが田んぼアートに携わったのは3年間ですが、田んぼアートはどんどん進化し、世界的絵画をテーマにしたり、アニメやドラマ・映画とコラボしたりしています。
全国各地に広まり、平成24年には、なんとアメリカのテレビCBSと新聞ニューヨークタイムスが「発案者の話を聞きたい」と取材に訪れました。平成26年には当時の天皇皇后両陛下が見学にいらっしゃったそうです。

最後に花田さんは、「私は田んぼアートの種を蒔いただけ。それを育てて実らせたのは、引き継いだ人たちの努力です。今後とも田んぼアートをよろしくお願いします」と話しました。
明かされていなかった「田舎館村田んぼアート」の誕生秘話に、参加者は興味津々で、終了後も花田さんに質問し、花田さん所蔵の写真を見ながら話をしていました。
今年の田舎館村田んぼアートもそろそろ見頃。今年は壮大さだけでなく、その歴史に思いをはせながら楽しむことができそうです。

今回、「田舎館村田んぼアート」の誕生秘話を話してくださった花田さん、きっかけはサンタハウス弘前公園で5月に開催したコンサートに観客としていらっしゃった際「このくらいの規模(人数)なら、自分も話してみたい」と思い、阿保施設長に相談したことからです。
サンタハウス弘前公園では、花田さんのように「自分の経験・知識・特技を活かして講師や発表といった活動を地域ではじめたい」という方のお手伝いをしています。興味がある方はサンタハウス弘前公園(☎0172-88-7707)までお問い合わせください。

※プライバシーに配慮し、写真を加工して掲載しています

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