スタッフブログ

研修★トロミ剤の使い方~株式会社クリニコ~

2019.11.26 - []

11月21日(木)、外部講師をお招きし、「トロミ剤の使い方」というテーマで全職員を対象とした研修が開催されました。講師は株式会社クリニコの山初育子氏です。

トロミ剤は食べ物や飲み物に加えて混ぜることで、温度に関係なく適度なとろみをつけ、食べ物を飲み込みやすくすることができる粉末状の食品です。とろみをつけることにより高齢者の「むせ」や「誤嚥(ごえん)」のリスクを低下させることができます。

今回の研修の前半では摂食嚥下(えんげ)のメカニズムや摂食嚥下障害の原因について、後半ではトロミ剤の使い方や注意点について講義して頂きました。

食べ物を飲み込む時には様々な器官が関与して食べ物を胃に送り込んでいます。
しかし、高齢になると脳血管障害などで食べ物を飲み込めなくなったり、加齢により咀嚼(そしゃく)する際や食べ物を飲み込む際に必要な筋力が低下し、食べ物を上手に飲み込めなくなる「摂食嚥下障害」が起こりやすくなり、誤って食べ物が気管に入り込む「誤嚥」の危険性が高くなります。
また、不顕性誤嚥と呼ばれる「むせ」が起こらない誤嚥もあるため、高齢者の摂食嚥下能力については日頃からしっかり観察し、状態を正確に把握することが重要です。
また、少しでも誤嚥のリスクを減らすために、障害のレベルに合わせて咀嚼訓練や咳をする練習、口周辺のマッサージなど、咀嚼する力・飲み込む力を鍛え、摂食嚥下機能の改善に努めることも大切となります。

摂食嚥下障害がある方に適した食品の条件として、
食塊としてまとまりやすく、硬すぎず、変形しやすいもの
硬さや質感の違う物が混在していないもの
が挙げられます。例としては固形物であればゼリー、ムース、豆腐など、液状であればピューレ状、ペースト状になったものが適していると言えます。
反対に摂食嚥下障害のある方に適さない食品で最も誤嚥しやすいと言われているのが水、お茶などの水分です。ですが、水分にとろみをつけることで誤嚥のリスクを減らすことができます。

研修の後半では、クリニコ様の商品であるとろみ調整食品「つるりんこQuickly」を使用して用意した紅茶にとろみをつけて試飲してみました。

つるりんこQuicklyは溶けやすく、ダマになりにくいうえに時間がたっても安定したとろみがつき、無味無臭のため食品本来の味をそこなわないのが特徴です。

トロミ剤を使用する時のポイントはダマができないよう入れてすぐに15秒ほどしっかりかき混ぜること!
また、つけたとろみが弱い場合、とろみを強くしたいからとトロミ剤を新たに加えるのはダマの原因になるためNG!
こ場合は強めにとろみをつけた同じ食品を加えてかき混ぜると良いそうです。

実際にとろみのついた紅茶を飲んでみた職員からは「もっと粉っぽいかと思ったけどそうでもない」「味がほとんど変わらない」といった感想がありました。

嚥下のメカニズムや、トロミ剤の使用方法をしっかり理解し、利用者様が安心して食べたり、飲んだりできるように利用者様の飲み込み能力に合わせて調整しなければならないと再確認できました。
山初様ありがとうございました!

Translate »