研修★新規採用職員研修「身体拘束廃止・高齢者虐待防止」
2020.4.15 - [セミナー・研修]
4月15日(水)、新規採用職員を対象に身体拘束と高齢者虐待についての研修を行いました。講師は、職員総合教育研修室の柳田室長です。
身体拘束や高齢者虐待とはどのようなことか資料や事例を見ながら学んだあと、あるケースについて虐待かどうか、なぜ起きたのかについて考え発表し合いました。
身体拘束とは、相手の行動を制限するために縛ったり、薬を必要以上に服用させたりすることです。厚生労働省では、11個の具体例をあげています。身体拘束は、関節のこわばりや筋力の低下、屈辱感など心身に悪影響を与えるほか、拘束が原因でできたケガの治療や世間の不信・偏見を引き起こすといった組織への悪影響を及ぼします。介護において目標とすべき「高齢者の機能回復」と正反対の結果を招くだけでなく、相手の人間としての尊厳を傷つける行為なので、介護現場では原則禁止です。
法律で身体拘束は「緊急やむを得ない場合」を除き行ってはならない、行う場合には「記録」しなければならないとしています。「緊急やむを得ない場合」とは以下の3つの要件を全て満たしているときです。
切迫性…利用者本人または他の利用者等の生命または身体が危険にさらされる可能性が著しく高いこと
非代替性…身体拘束その他の行動制限を行う以外に代替する介護方法がないこと
一時性…身体拘束その他の行動制限が一時的なものであること
「やむを得ない場合」以外の身体拘束は「高齢者虐待」となります。高齢者虐待は「身体的虐待」「介護・世話の放棄・放任(ネグレクト)」「心理的虐待」「性的虐待」「経済的虐待」と分類されます。
では「オムツいじりをしていた利用者をしつけようと思い、手の甲をつねった。」この行為は『虐待』にあたるのでしょうか?
「身体的虐待にあたる。」と全員一致。「なぜ、つねったのでしょうか?」という問いに「他の方法、対処法を知らないからやったと思う」「職員の人手も足りないのに、何度言ってもやめないから、感情のままにやてしまったと思う」などそれぞれ考えを述べていました。
虐待の件数は年々増加傾向にあります。その要因として、拘束しないでケアできる方法を知らない「教育・知識・介護技術等に関する問題」があります。職員と入居者様・利用者様との良い関係を築き、質の良いサービスを提供するためにも、相手の声に耳を傾け、職員同士相談・協力しながら原因に対処することが大切なのだと考えた研修でした。