職員全体研修 褥瘡(じょくそう)と栄養管理~株式会社明治様~
2020.10.29 - [セミナー・研修]
10月27日(火)、外部講師をお招きし「褥瘡と栄養管理」をテーマに職員全体研修を行いました。講師は株式会社明治の千葉聡美氏です。
褥瘡とは、長時間同じ格好をしていることなどの圧迫が原因で血が足りなくなり、皮膚に栄養が行きわたらずに傷になることです。悪化すると傷が穴のようになります。
褥瘡の発生要因、予防、治療には様々ありますが、今回は栄養との関連についての内容でした。
褥瘡の発生と栄養
低栄養は褥瘡の発生にもっとも影響しているという報告もあります。栄養不足により、皮膚の弾力が低下し圧迫に弱くなる、やせすぎて骨が突出するなどが褥瘡の要因となるためです。
褥瘡の治療と栄養
褥瘡の治療には十分なエネルギー(生きるための力)が必要です。エネルギーが不足していると、摂取した栄養は傷の治癒に使われずエネルギーの生成に使われてしまうため、治りが遅くなってしまいます。栄養としては以下のミネラルやビタミンを摂るよう心がけましょう。
亜鉛…たんぱく合成などに作用します。魚介・肉・海藻・野菜・豆類などに多く含まれます。
鉄…血流確保や組織への酸素運搬に作用します。レバーやひじきなどに多く含まれます。
銅…造血に作用します。レバー・魚介類・豆類などに多く含まれます。
ビタミンC…コラーゲン合成、免疫強化、鉄の吸収促進に作用します。多くの野菜に含まれていますが、旬の時期にたっぷり含まれています。
アルギニン…血管拡張、血流改善、コラーゲン合成、免疫強化などに作用します。大豆類、肉類、魚介類などに多く含まれます。
これらの栄養を積極的に摂取した方が、褥瘡の治りが早いという研究報告があります。
褥瘡の治癒課程に合わせてしっかり摂取するとよく、例えば、褥瘡が発生し炎症している時はエネルギーとたんぱく質を、傷が治り始めたらたんぱく合成に必要な亜鉛やコラーゲン合成に必要なアルギニンをしっかり摂るようにするとよいとされています。ですが、これらの栄養素をバランスよく常に食事から摂取するのは大変ですね。
そんな時便利なのが、株式会社明治のメイバランスなどの経口栄養補助食品です。摂取する人の食事形態に合わせて、液状・半固形状・ゼリー状と種類があるのも便利ですね!
今回、栄養面から褥瘡の治療について学びましたが、栄養管理はあくまで褥瘡対策の一つであって、栄養をしっかり取っていれば褥瘡が必ず治るというわけではありません。多職種協同での総合的、継続的なケアが不可欠です。栄養管理をはじめ色々な角度から入居者様を支え、褥瘡の予防、効果的な治療に取り組んでいきましょう!
千葉様、ありがとうございました。