モデルルームで学ぶ高齢者住宅引っ越し&断捨離講座
2021.9.2 - [デイサービスセンター「サンタハウス弘前公園」・サービス付き高齢者向け住宅「サンタハウス弘前公園」・弘前版生涯活躍のまちモデル事業]
8月28日(土)、サンタハウス弘前公園(弘前市元大工町)で「モデルルームで学ぶ高齢者住宅引っ越し&断捨離講座」を開催し、弘前市民9名が参加しました。講師は、サンタハウス弘前公園の阿保施設長です。阿保施設長は地域コーディネーターも務めている他、終活ガイド上級の資格も持っており、それらの視点・立場から高齢者住宅への引っ越しと断捨離について説明しました。
まずは、サービス付き高齢者向け住宅のモデルとしてサンタハウス弘前公園の家具付き居室を見学しました。
家具付き居室には最低限必要な家具・家電・日用品・消耗品が備わっています。(サンタハウス弘前公園の家具付き居室について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください)「こんなにきれいで物も揃ってるなら、すぐにでも入居したい!」と言う参加者もいらっしゃいました。
では、もしも高齢者住宅に入居するとしたら、今持っている家財道具、そして今暮らしているお家はどうしたらよいのでしょうか? 「それらを整理・処分してからじゃないと入居できない」と思っている方も多いようです。
そこで今回、阿保施設長が提案したのが、高齢者住宅で暮らしながら、断捨離〔入ってくる(新しい)不要な物を断ち、自宅にずっとある不要な物を捨て、物への執着から離れること〕していくという暮らし方です。
例えば、サンタハウス弘前公園の家具付き居室でミニマリスト〔持ち物を最小限にして暮らす人〕な生活を送りながら、必要なものは自宅に取りに行きます。
必要かそうでないか判断できない時、断捨離のコツとして「保留」というキーワードも紹介されました。判断できない時はとりあえず「保留」して寝かせておくといいそうです。高齢者住宅に住み替えてから、例えば半年から一年の間に必要性を感じなければ「不要なものだった」と考えることができるので、断捨離が進みやすくなります。
そして、最大級の断捨離は“家”です。家は、体力・判断力が落ちてしまうと、維持も処分も困難です。
高齢者住宅に引っ越すにあたり、「家を処分・売却したい、貸したい」場合に活用できる制度として「弘前圏域空き家・空地バンク」が紹介されました。
また、認知症で本人の判断力が失われた場合、家族が代わって不動産を管理・売却することは非常に難しくなるという話題があげられ、判断力が失われた後のセーフティネットとして「成年後見制度」、判断力がしっかりしているうちに家族に“もしもの時”の対応を託す「家族信託」などについてもふれました。
全てを整理・処分してスッキリしてから引っ越したいと考える方もいらっしゃると思いますが、長年暮らした自宅にある物は膨大な量です。さらに、自宅にいたままだとなかなか進まず、先送りにしたり何年もかかったりすることも。そうしているうちに、自分自身が弱ってしまい、気力・体力・判断力が無くなり、何もできなくなってしまう可能性もあります。
サンタハウス弘前公園の入居者様は「全部断捨離してから引っ越した方」と「引っ越してから断捨離に取り組む方」とに分かれますが、引っ越し前にお家・家財防具の全てを完璧に整理してから入居された方はたったお一人だそうです。
「高齢者住宅への住み替えは、将来的に介護施設へ入所する時、あるいは、きたるべき最期のために備える『終活』の一通過点・一手段という考え方もありますよ」と阿保施設長は述べました。
気力・体力があるうちに高齢者住宅に住み替え、さまざまなモノ・コトを整理することで、先の不安・心配事を取り除き、安心して豊かに余生を過ごせるとともに、家族の負担も減らすというメリットがあります。
今回の参加者には、今後のことを考え断捨離をはじめるも、なかなか進まず悩んでいる方も多かったようです。
「断捨離は難しく、なかなか進んでいなかった。今回参加して本当に必要なものは限られていることが分かった。部屋の広さも見学したお部屋で十分だと感じた」
「部屋を見学し、広さや必要な物がどれくらいかが実感できて良かった」
「今回のセミナーで断捨離の考え方が変わり、気持ちが楽になった」
と参加者から感想をいただきました。
高齢者住宅への引っ越しが先か断捨離が先か順序を変えるだけで、必要なものとそうでない物は距離を置いて考えるだけで、気持ちが楽に前向きになると感じたセミナーでした。
※プライバシーに配慮し、写真を加工して掲載しています。