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研修★認知症と回想法

2022.11.24 - []

11月16日(水)・17日(木)の2日間、各事業所の全職員を対象に「認知症と回想法」というテーマで研修を行いました。講師は、職員総合教育研修室 室員の工藤さんです。

認知症とは、一度獲得された知的機能が、後天的な脳の機能障害によって全般的に低下し、社会生活や、日常生活に支障をきたすようになった状態で、それが意識障害のないときにみられます。主なものには、アルツハイマー型、レビー小体型、脳血管性の認知症があります。
症状には中核症状と行動・心理症状(BPSD)があります。
●中核症状 脳の神経細胞が壊れることによって、直接起こる症状。
 ・記憶障害
 ・見当識障害
 ・理解、判断力の障害
 ・実行機能障害
 ・失語、失認識、失行 など

●行動・心理症状(BPSD) 本人の性格や周囲の人との関りのなかで起きてくる症状。周囲の人が適切に対応することで予防につながります。
 ・介護拒否
 ・帰宅願望
 ・せん妄
 ・暴力、暴言
 ・不安、抑うつ など

研修では、認知症当事者の声やさまざまな認知症ケアについて紹介された他、非薬物療法の回想法について説明がなされました。
回想法とは、1960年代にアメリカの精神科医、ロバート・バトラー氏が提唱しました。昔の懐かしい写真や音楽、昔使っていた馴染み深い家庭用品などを見たり、触れたりしながら、昔の経験や思い出を語り合う心理療法(非薬物療法)です。
認知症の人は、最近の記憶を保つことは困難ですが、昔の記憶は保持されています。昔のことを思い出して言葉にしたり、相手の話を聞いて刺激を受けたりすることで脳が活性化し、活動性・自発性・集中力の向上や自発語の増加が促され、認知症の予防となります。また、昔の思い出に浸り、お互いに語り合う時間をもつことで精神的な安定がもたらされます。

認知症について理解を深めるとともに、日々変化・進歩するケア方法についても学ぶことができた研修でした。

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